河嶋淳司 新作リトグラフ[梟]

河嶋淳司 「梟」
リトグラフ12版23色
大きさ410×185mm
紙楮局紙 ED 100

2006年5月、河嶋淳司さんの「梟」の版画が出来上がりました。

 


今回の作品はリトグラフで制作しましたが、素材にこだわった作品になりました。

 

 

背景の四角い模様は「箔」のイメージからアイディアをえたもので箔を貼ったときに重なった部分が模様のように美しく、そこをヒントにしました 。

和紙の上に実際に箔を貼ったように見えるような工夫をしています。

 

 

もうひとつの隠れたポイントは「和紙」です。

高知の「楮局紙」という和紙の中でも厚みのあるものを使いました。

はじめのプランでは絵の周りの余白をなくし、絵と紙の大きさが同じになるように計画していたので、最初の試し刷りでは和紙を特別に絵と同じ大きさに漉いたものを使いました。

 

 

「版画」というよりも「作品」としての存在感を高めたくて余白のないスタイルを考えたのですが、最終的に河嶋さんと選んだものはオーソドックスな余白のあるイメージに決まりました。

 

 

何回もの試し刷りを経て、やっと作品が出来上がることが多いのでこういった試行錯誤は度々あるものです。

 


工房も何度も試し刷りをやり直しますが、作家にとってもどれを選択するかは真剣勝負!です。

 

「これだ!」という物が出来あがったときはお互いにとても充実感があります。

 

 

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