コラグラフってどんな版画?

915版画工房は緑に囲まれた広々としたスペースで、工房に訪れたいろいろなアーティス達と共同制作(コラボレーション)によるオリジナル版画の制作に取り組んでいます。
このホームページでは工房で作った作品や彼らがライフワークとして制作している版画以外の作品、展覧会などの紹介もしています。

コラグラフに使う画材の紹介です。
特にコラグラフ用に作られた画材ではありません。
版材は板、シナベニヤ、ラワンベニヤ、ボール紙などどんなものでもかまいませんし厚さも特に決められた厚みはありませんが、版を彫ったりする場合は少し厚めの方が良いかもしれません。

 

コラグラフとは「コラージュ」する版画というような意味で、版材に素材を張り付けたりニスやジェッソを付けたりして凹凸をつくり、それを版にして刷る版画です。
凹版部と凸版部にそれぞれインクをつけて刷ることができますし、彫刻刀で彫る以外に筆で塗った部分がイメージになって行くところがとても面白い版画です。

 

ボンドや水性ウレタンニス、アクリル絵具のジェッソ、紙、布、刷っている内にはがれないように接着すればどんなものを使ってもかまいません。

 

(あまり厚みがあるものは刷りにくいのでお勧めしませんが・・)

それでは版を刷ってみましょう。

まず凹版部にインクを詰めていきます。どんなふうに詰めても良いのですが、この時のインクの硬さや詰め方で刷り上がりが違います。 また詰めるインクは一色とは限らず何色か詰め分けてもかまいません。 寒冷紗や布などを使っておおまかにインクを拭き取ります。
ニスを塗ったところはインクがかなり拭き取れます。
拭き具合でいろいろな表情になりますので、何回か試し刷りをして一番イメージに会う拭き取りかたを探します。
 
紙を使って一番出っ張った部分のインクをきれいに拭き取っています。
紙の種類や厚さで拭き取れ方が違いますので、いろいろ試して絵のイメージと合わせます。
インクがイメージ通り拭き取れたら紙を版の上にのせ銅版用のプレス機で刷ります。
版を何版か合わせて作る場合、見当の板などを利用するとよいでしょう。

 
インクを詰めた版の上に紙をのせ、さらにラシャをかぶせてプレス機で圧をかけます。
ラシャの他にフェルトやボール紙など圧のかけ具合を版の凹凸に合わせて選んでいきます。

凹んだ部分、平らな部分、出っ張った部分それぞれにインクがつき一版でもとても表情豊かな刷り上がりになります。また刷る紙の種類や厚み、紙を湿すかどうかなどでも刷り取れ方がかなり違いますので、これらもいろいろ試します。
 
今度は凹凸版刷りをしてみましょう。
まず凹んだ部分にインクを詰めて拭き取ります。

次に出っ張った部分に別の色のインクをローラーでのせます。
凹版部のインクとの色の組み合わせしだいで同じ版でも複雑な色を出すことが出来ます。

 
刷り上がりです。
銅版用の洋紙を軽く湿らせて刷りました

   

 

915版画工房で作られたコラグラフの作品を紹介します。

[ 鳥 ] 岡村 桂三郎

[ 龍 ] 岡村 桂三郎

[ 黒犀 ] 河嶋 淳司

[ WAVE 98-1] 松谷 武判

[ Une Goutte] 松谷 武判